6月9日 土曜日
ちょうど1週間前のこの日、私の長年の夢を叶えた日を
迎えました。

2006年5月 世界初の総檜ホールとして完成しました。
神奈川県湯河原町、相模湾を一望する場所にあります。
このホールを手がけたのは2015年春の黄綬褒章を受賞した私の父です。
完成当時から、『いつかこのホールでコンサートを』と
思い続けていましたが、
簡単に実現できることではなく、いつしか時が経ち
12年・・、ついに実現することができました。
ホール入り口のドアを開けるとすぐに檜の香り、天井の木の梁が匠の技を見せてくれる
素晴らしいホールです。


一つの大きなことを(小さなことも同じですが)成し遂げることは、とても面倒なこと、
時にはトラブルも発生し、多くの時間・多くの人の協力・諸々のことがあります。
ドイツ在住のフルーティスト、MIO SUZUKI
前半は電子音楽、後半はピアノとの生演奏のプログラムで幕を開けました。
お世話になった地元の方々、友人、恩師・・多くの方々に感謝を込めて演奏会が
始まり、無事に幕を閉じることができました。
何よりも高齢の父に見せることが実現できたことに心から感謝いたします。
私が子供の頃は、いつも短い角刈りの頭に木屑をつけ、木の匂いをプンプンさせて
仕事から帰ってくる父が、格好悪いと思っていました。
スーツを着て会社から帰ってくる友達のお父さんを羨ましかった・・。
今、いい歳になった私の懐かしく恥ずかしい思い出です。
『天職』というものがあるならば、父は大工、
娘はフルーティスト。
では、私は・・まだ天職とは言えないですが「字」を追求し続けたいと
二人を見ていて改めて心に念じました。